協会概要
■理念■
わが国では超高齢化社会を迎え、自由に外出することが困難な高齢者人口が急激に増加しています。近年では、理容所・美容所への来所に介助を必要とされる方も多く、高齢者の増加と共に同行される家族の同行や介護タクシー等を利用して来店される方、車椅子の方等の方々への対応も重要なものとなります。また、一部の医療機関や介護・福祉施設には、店舗または理・美容スペースを併設している場合もありますが、大多数には併設されておらず、訪問理容・美容への需要が高まってきています。
我々が福祉理・美容または訪問福祉理・美容を提供する方々は、高齢の方、障がいのある方、病院に入院されている方、自宅で療養されている方など様々です。これらの方々の中には、心身機能や免疫力が低下している方も多く、安全な福祉理・美容理・美容サービスを実施するには特別な配慮やきめ細やかなサービスが求められることから、一般の方に対する以上に“安全への意識”が強く求められます。
地域包括ケアの時代を迎えて、理・美容提供時の技術やサービス、衛生管理等における様々なニーズの変化への対応が求められているのです。
日本福祉理美容安全協会では、サービス施術を提供するスタッフへの安全意識の向上やヒヤリハット活動を中心としたリスク管理への取り組みを行っていますが、その根底にあるものは“法令の遵守(注1)”と“人権の保護(注2)”だと考えています。そして、この二つの理念を念頭に置き、事故の未然防止に取り組み、組織内に事故防止と業務改善へと繋がる風土を確立し、安全・安心・快適な福祉理・美容を提供していける環境づくりに従事してまいります。
(注1)法令の遵守
法令の遵守は、理・美容業務(事業活動)の大前提であり最低限守るべき事項でもあります。適正かつ公正・透明性のある事業活動を行うためには、全職員が法令遵守の考え方を日常の業務遂行の中に根づかせ、実践することが必要です。
(注2)人権の保護
福祉理・美容においては、医療機関、福祉施設、自宅等へ訪問して技術・サービスを行いますが、知り得た情報に関しては個人情報の保護に努め、利用者(患者・入居者等)やその関係者機関(病院・福祉施設)等への権利や利益を不当に侵害することのないように配慮する必要があります。また、感染症等の知り得た情報に関する扱いにおいては、人権に十分配慮し関係者に対する差別や偏見を排除する必要があります。これらは、訪問業務に限定されるものではなく、店舗における配慮や取扱い、管理についても同様です。
■名称■
一般社団法人 日本福祉理美容安全協会
(Japan Welfare Bader Beautician Safety Association)
■住所■
本 部:
〒870-0829 大分県大分市椎迫4-2(有限会社ビューティフルライフ内)
TEL:094(594)0093 FAX:097(546)6999
東京支部:
〒187-0035 東京都小平市小川西町3-28-5(株式会社シルバーサポート内)
TEL:042(348)7760 FAX:042(348)7761
■沿革■
2011年4月・・・東日本大震災
東日本大震災後、東北の方々の力になりたい、少しでも寄り添いたいとの想いから、移動理美容車を保有する仲間が集い3台のトラックで東北に向かいました。
その際には活動にご賛同いただいた大手医薬品卸企業や各地域の参同企業・団体・個人企業との大連携となり全国と地元の理美容師有志43名の力を結集して28カ所の被災地で約700名の被災された方々へ理美容サービスの提供を行うことができました。
過去にも神戸や新潟の震災ボランティアの経験から同業者の復興の妨げにならないようにシャンプーや肩もみ等の理美容の提供を考えていましたが甚大な被害は理美容師のハサミまでも津波にさらわれていました。その為、訪問先各地の避難所で理美容師の情報と賛同を得て被災者の髪を切らせていただき、避難所生活での疲れが少しでも和らぐようにシャンプーや肩もみ等の理美容ならではのサービスを「心を込めて」させていただきました。
この活動が日本福祉理美容安全協会設立のきっかけとなりました。
2012年5月〜・・・情報交換と研修
当協会理事長の田中が提唱する-ワンランク上の福祉理美容-のための情報交換と研修の実践を開始する。
(1)危険予知訓練(KYT)研修会
(2)ヒヤリハット・クレーム報告による業務改善
・・・リスクマネジメント
(3)感染予防対策研修
(4)福祉理美容介助研修
(5)福祉理美容実技研修
(6)業務「見える化」研修
これらの研修により、安全・衛生管理を根底に、安心して信頼していただける業務・サービスの提供と“地域包括ケアの時代”に対応できる“安全・安心・快適”で良質な福祉理美容の提供を目指し繰返しオーナー研修やトレーナー・スタッフ研修などの研鑽を継続して実施しました。
2017年5月・・・熊本大震災
熊本大地震時には理美容技術で被災地の方々に「癒しの提供」をしたいと考え「シャンプーキャラバン隊」を結成しました。避難生活による疲れた身体や心のケアに少しでも繋がればとシャンプーやマッサージ等に注力し、220名以上の被災された方々に心をこめて提供をさせていただきました。
活動メンバーは、熊本県理容組合・美容組合のご賛同をいただき、また、熊本のNPO団体や理美容師有志や地元美容学校等と延べ38名の連合体に発展しました。
2018年5月・・・社団法人設立 出版
危険予知訓練(KYT)、ヒヤリハット・クレーム報告による業務改善、理美容における介助や感染予防対策等の研修を継続して実施してきました。
安全・衛生管理と共に、安心・信頼していただける業務・サービスの提供と“地域包括ケアの時代”に対応できる“安全・安心・快適”な福祉理美容を啓発し普及を目指して「日本福祉理美容安全協会」の一般社団法人化をしました。
それに伴い全国の福祉理美容(訪問理美容・理美容室の福祉対応)への貢献すべく、本協会監修による安全管理ガイドブックとして、知っておきたい安全管理-福祉理美容ガイドブック-“地域包括ケアの時代を迎えて”を出版する運びとなりました。
2012年7月・・・西日本豪雨災害
本協会では今できる貢献を模索していたところ、ボランティアが使用する床拭などに使用するタオルの募集を知り、社協ボランティアセンターを訪ね現地のボランティアセンターでの需要を確認していただき掃除用雑巾タオルとして繰返して使用ができる「ディスポタオル10,000枚」を広島県坂町、岡山県倉敷市、愛媛県宇和島市、福岡県久留米市のボランティアセンターへ送らせていただきました。
■法人会員数 (2018年6月1日現在)■
正会員:
7社
準会員:
2社
■所属会員数 195名 (2018年11月1日現在)■
■役員 理事5名 監事1名 (2018年6月1日現在)■
理 事 長:
田中 晃一 有限会社 ビューティフルライフ
副理事長:
新藤 徳茂 株式会社 シルバーサポート
専務理事:
福地 道昭 株式会社 モルティー
専務理事:
安江 利之 株式会社 美装モリタ商会
常務理事:
神田 修 有限会社 カンテック
監事:理事
東野 重樹 有限会社 テントウムシ
正会員:
南 照己 株式会社 スーパーカットビューティコミューン
準会員:
山本 恵子 株式会社 彩
中田 広恵 株式会社 あみ
■顧問■
茂木 克之
松尾 清美 佐賀大学 准教授 : (一社)こうしゅくゼロ推進協議会 代表理事
佐賀大学医学部 福祉健康科学部門(生活行動支援研究室)
古澤 章良 アルカス技術士&労働安全コンサルタント事務所 代表
山形 茂生 コネクトリハビリテーション 代表 作業療法士
傳明地 洋基 エンジニア : 住環境コーディネーター